ごあいさつ
日本シミュレーション学会は理工学および産業生産技術などの多くの専門分野において,また生体システムや社会システムなどを含む非常に広い分野にわたって,シミュレーションの手法と応用および科学技術に関する研究討論と情報交換を行う我か国唯一の学術団体です.本学会は日本の計算技術創世記にアナログ技術研究会として始まり,シミュレーション技術研究会等の20年の活動実績をふまえて,昭和56年(1981年)6月に発足して以来すでに27年になり,2011年に30周年記念を迎えようとしております.
本学会が対象としているシミュレーション技術はあらためて述べるまでもなく工学技術領域においては最も重要で普遍的な技術であります.設立30周年を真近にひかえ,ここで本学会がどのような意志をもって設立され今後どのように進めていくべきか考える必要に迫られております.本学会の発展をたどりますと,まずアナログ技術研究会として計算用演算増幅器の研究に始まり,当時は研究者同士が各資料を持ち合いながら始まったと伺っております.その後シミュレーション技術研究会として国内において公式の学術研究発表会を開催し,シミュレーション技術研究論文集を発行すると同時に有限要素法の技術をいち早く普及すべく学術書「シミュレーション技術」を1981年に発刊しております.また当時宇宙開発の波に沿って高い関心を引き起こしましたシステム工学的取り扱いはいくつかの成書となりました.そこではモデリングとシミュレーションの重要性が遺憾なく発揮されております.このような気運を受けて,1981年6月黒川一夫先生を会長,杉山卓先生を副会長として日本シミュレーション学会が発足いたしました.30周年を真近にし,ここであらためて初心に立ち返り本学会が多くの関係する研究者技術者方々の期待にお答えするよう,誠心務めてまいりたいと存じます.
現在,本学会はシステムの分析とモデリング,シミュレーションの技法,計算力学,画像・音声処理,現象の可視化,環境エネルギー,社会経済システム,また脳機能解析などの新分野,シミュレーション言語とその応用,シミュレーション用ハードウェア,リアルタイムシミュレーション,プロセスシステムや交通運輸システムへの応用などシステム技法からソフトウェア,ハードウェアおよび諸分野への応用にいたる多くの問題を対象として
- 会誌(年4回),資料,図書の刊行
- 日本シミュレーション学会大会(年次大会)の開催
- シンポジウム,講習会,見学会などの開催
- アジアシミュレーション国際会議の共同開催
- アジアシミュレーション学会国際連盟準備会議設立
- EUROSIM(ヨーロッパシミュレーション連盟)への参加
- 論文電子化にとる迅速な研究情報の公開と質の向上および英文論文誌の発刊
- アジアシミュレーション国際学会連盟化を目指した国際化の推進
- 法人化企画運営に基づく学会の社会貢献の推進
- 学会30周年記念事業の企画として記念大会と「シミュレーションハンドブック」の発刊
内外の関連する諸学会との共同事業を通じて,シミュレーションの技法と応用に関する研究者の方々,諸分野におけるシミュレーションの実施に関心を持ち続けてる方々,また研究発表や研究討論,グループ研究などを進めたい方々,シミュレーションの手法や実例を勉強し知識をより深めたい方々等へ,本学会へのご参加をあらゆる機会を通じてお進めして参りたいと存じますので,よろしくご協力のほど切にお願い申し上げます.
