ごあいさつ

  
一般社団法人日本シミュレーション学会会長 佐藤 拓朗
一般社団法人日本シミュレーション学会会長
2016年7月18日
佐藤 拓朗


一般社団法人日本シミュレーション学会会長挨拶


2016年7月18日の理事会にて会長を仰せつかりました。ご挨拶申し上げます。

シミュレーション技術無くして現在の産業を支えることはできません。また、学術面においても、実験や数式の妥当性を証明する方法としてシミュレーション技術を欠かすことはできません。最近の数学の進展とシミュレーション技術の発展とともに、複雑な社会的事象や自然現象を数学で定式化しモデル化することで、多くの努力を費やして解決できなかった課題が、ほぼ瞬時に答えを求めることができるようになりました。さらに、最近の地球環境温暖化、自動運転、医療、半導体設計、ネットワーク解析にはシミュレーション技術は不可欠な技術になっています。ビッグデータや人工知能など今まで不可能と考えられてきた将来の課題についても予測シミュレーション技術の発展により明らかにすることができるようになっています。

日本シミュレーション学会は、1981年に創立され35年間の長い歴史を有しています。国内では中堅の学術学会として、多くの分野の専門家が集まり相互に連携を図ってきました。また、欧州、米国、アジアの各国においても同様のシミュレーション学会が設立され、日本シミュレーション学会も国際連携を図りながら共同国際会議を開催し、世界のシミュレーション研究との協力を図っています。また、国内においては、専門領域毎に研究会が組織化されているばかりでなく、新しい研究領域が創出され、研究会同士で国内委員会の開催を行うことも今後重要な活動として進めてきています。

多くの研究領域や産業領域においてシミュレーションは使われています。多くの場合、シミュレーションは目的を達成するための手段として考えられ、シミュレータを用いて問題の解決を図ってきています。しかし、私達を取り巻く課題が複雑になり、今までのシミュレータのみで解決できる範囲は小さなものとなります。新たな課題を解決するための数学的モデルやそれを実現するためのシミュレータの研究を行ってゆくことが重要となります。将来を支える若い人材が学会を通して育成させ、これからのシミュレーション人材を輩出してゆくことにも学会は重要な役割を担っていると考えます。

今回の会長の就任に当たり、今までの成果を基礎として日本シミュレーション学会をさらに発展させてゆく所存です。一つは、学会活動が会員に見えるようにし、多くの会員へ高い品質のサービスを提供すること。二つ目は近年の新しい研究領域を積極的に取り入れ学術面ばかりでなく産業領域においても貢献すること。三つ目は、健全な財務体質を構築することを目指したいと考えています。

皆様とともに今後とも日本シミュレーション学会の発展に努力してゆきたいと思います。