日本シミュレーション学会の法人化について
平素から本学会の運営にご理解とご協力を賜り感謝申し上げます。さて理事会では、これまで日本シミュレーション学会の法人化について議論を行ってきました。前回の理事会にて、今期において、法人化準備を完了し、来期から一般社団法人として新たな一歩を踏み出すことを決断いたしました。会員の皆様から見て、会費等含め、変わる部分はありませんので、ご安心いただきたく思います。
現在、本学会は法人格を持たない任意団体であることより外部組織との共同事業等に困難があり、また税法上の健全性が必ずしも担保されていないなどの問題点が指摘されてきました。これまで、従来の制度では法人格の取得が困難であったため、法人化への道のりは長いと考えられてきました。
2008年12月公益法人制度改革によって、新たに一般法人・公益法人という区分が導入され、特に一般法人の認可は不要となり、設立が容易になりました。このことを踏まえて、本学会が法人格をもつ可能性が高まりました。そこで、2012年6月開催の本学会総会で、理事会でまとめた法人化方針について、ご承認をいただくことができれば、来年度から一般社団法人日本シミュレーション学会へと移行することができます。
1.なぜ法人化が必要か?
法人化が必要な理由は事業体としての順法性にあります。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「法人法」という。)に定められた内部統治を行うことにより,健全な学会運営を行うことが期待できます。契約や預金口座の開設などについて,会長個人名でなく法人名を使えるようになり,組織経営上のリスクが減少すると同時に学会運営を会員から見えるようにすることにより,会員の参加意識を強化し,学会活動を活発化させることも期待できます。経常収支が1千万円程度と決して小規模ではありませんので、法律に従った財政運営を通じて社会的な責任を果たす必要があります。
今年度念願のアジアシミュレーション連盟が設立され、本学会はその重要な役割を担うため、法人格をもつ事業体となることによって社会的にも学会の存在が明確に認知される必要があります。法人化されていない任意団体は高い社会的信用を得ることができません。法人化されることによって、調査・研究などを国等から受託できるようになります。
2.理事会での議論の経緯
公益法人制度改革後、理事会では、法人化を見据えて、定款案作成に向けて、内閣府には何度も足を運んで法人化へ向けての相談をしてきました。定款内容については、現在の学会の体制をそのまま移行する原則で理事会での内容精査を行っております。また、定款作成に関わる作業委託費については、法人化準備金をあてていますので、会員の皆様への財政的な負担は一切ありません。
また、理事会では、財政健全化の観点で、現行の任意団体と一般社団法人とにおける納税の違いについて勉強会を開いてきました。本学会が、法人税を支払ったという事例はありませんが、任意団体の通常の活動において厳密には納税の義務があるものとされています。任意団体であっても、法的には収益事業を行う場合には納税義務を負っています。この点に関して、専門家に意見を求めたところ細かな事業の分類をしなければ確定できないものの納税額はゼロであろうということでした。しかし、わが国の現在のような財政状況を鑑みますと、今後、学会大会の決算が黒字になった場合には課税されることが予想されるなど査定が厳しくなることを考慮しなければなりません。
法人化に向けてのスケジュールとしては以下のとおり考えています
4月 新法人定款案の提案と会員からの意見募集
6月 総会にて新法人の設立・事業移行・移行後の現団体の解散を決議
7月 新法人の設立登記・口座開設等事業移行手続き完了
7~8月 新法人の代表会員選挙
9月 新法人の第1回総会 理事・監事の選任
4月下旬には、みなさまに定款案を確認いただく機会を作りたいと考えています。6月の総会決議では、正会員・フェロー会員・シニア会員の3/4以上の決議が必要です。会員の皆様には、法人化のメリットをご理解いただけましたら、決議にご支持を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

